全国の生産量の約8割を占めるジャガイモ産地の北海道で、種イモ不足が深刻化している。生産面積は2020年度で約4500ヘクタールと、この5年で1割減少。後継者不足に加え、病害虫対策など通常のイモより手間がかかる作業が敬遠されていることも背景にある。今年は夏の高温干ばつで収量が落ち、不足感がさらに強まっており、農協関係者は「このままでは道産ジャガイモを作れなくなる」と危機感を募らせている。

「正直限界が近いが、自分が作らないと農家が困る。何とか続けないと…」。ようてい農協(本所・後志管内倶知安町)種子バレイショ生産組合の石井静城(せいしろ)組合長(60)は収穫した種イモの状態を確かめながら、硬い表情を見せた。

https://www.hokkaido-np.co.jp/sp/article/624778