「乏毛症の妹の役に立ちたい」 柳本さん(牛島小5年)髪を寄付 病気への理解深めて
生まれつき髪の毛が少なく縮れた状態になる「乏毛症」の妹2人を持つ吉野川市鴨島町の牛島小学校5年の柳本紗那さん(11)が、4年近く伸ばした髪を寄付するために切った。妹2人は、医療用かつらを無償提供している大阪市のNPO法人に申し込んでいる。紗那さんの髪が妹に来るわけではないが、病気などで髪を失った子に役立ててもらうとともに乏毛症への理解が深まってほしいとの思いを込めた。
紗那さんは3姉妹の長女で、妹の恵那さん(9)=同小3年=と奏那(そな)ちゃん(5)が乏毛症。全国に1万人いるとされ、発症のメカニズムは分かっておらず治療法は確立されていない。
紗那さんは昨年12月、子ども向け新聞「阿波っ子タイムズ」でヘア・ドネーション(髪の寄付)の記事を読み、興味を持った。母の慶子さん(36)からは、乏毛症の子どもを持って悩んでいる人から相談を受けた話や、社会ではまだ乏毛症を知らない人が多いことを聞いた。
医療用かつらを提供する活動が広がれば社会の理解にもつながるのではないかと考え、髪を寄付することにした。
鴨島町の美容室で11月20日、50センチ近くまで伸びた髪を31センチ切った。両親と妹にも髪にはさみを入れてもらい、NPO法人JHD＆C(ジャーダック)に送った。紗那さんは「髪を切るのに少し寂しい気持ちもあったけど、妹たちに回ればいいな」と願っていた。
https://www.topics.or.jp/articles/-/635454
