https://www3.nhk.or.jp/news/html/20211218/k10013393911000.html

日大 田中前理事長「急に大金入り、迷った末、申告せず」

日本大学の田中英壽前理事長がおよそ1億2000万円の所得を隠した疑いで逮捕された脱税事件で、田中前理事長が特捜部の調べに対し「急に大金が入り、迷った末に、税務申告しないよう妻に指示した」などと供述していることが関係者への取材で新たに分かりました。前理事長は脱税の容疑を認めたうえで、修正申告する方針だということです。

日本大学の前理事長の田中英壽容疑者(75)は、背任事件で起訴された大阪の医療法人の前理事長、籔本雅巳被告(61)や日本大学の理事だった井ノ口忠男被告(64)らから受け取ったリベートなどおよそ1億2000万円の所得を隠し、3年前と去年、合わせて5300万円を脱税した疑いで先月、東京地検特捜部に逮捕されました。

関係者によりますと田中前理事長は特捜部の調べに対し「妻が自分宛ての多額の現金を受け取っていたことは妻から聞いて知っていた」などと供述していることが分かっています。

さらに税務申告しなかった経緯について「急に大金が入り、迷った末に申告しなかった。妻には、これまでどおり、大学からの給与所得と不動産所得だけを申告すればいいと指示した」などと供述していることが新たに分かりました。

また、籔本前理事長は、多額の現金を、酒などの土産とともに紙袋の中に入れた状態で田中前理事長や妻に提供していたということで、籔本前理事長の携帯電話の留守電には、妻から「たくさんいただいてありがとう」というお礼の趣旨のメッセージが残されていたということです。

田中前理事長は脱税の容疑を認めたうえで、今後、修正申告する方針だということです。

特捜部は20日の勾留期限に向けて、現金の授受や税務申告の詳しい経緯について詰めの捜査を進めています。