ブーム後も日本では熱心な利用者が定着

2021年初頭に日本でブームとなったスマートフォン向けの音声SNS「Clubhouse」。複数人が同時に、声のみでコミュニケーションするという仕組みが、従来のSNSにはない新鮮さを与えた。また当初はiOSのみの提供で、なおかつ招待制を採用していたことから、利用できる人数が限定されているという特別感もClubhouseの人気には大きく影響したといえる。

だがその後数カ月のうちに人気は急速に勢いを失い、メディアで取り上げられる機会も大幅に減った。とはいえClubhouse自体はその後も利用拡大に向けた取り組みを進めており、2021年5月にはAndroid版の提供が開始された他、2021年7月には招待制を廃止。現在は誰でも参加できるようになっている。

2021年9月30日には、Clubhouseを運営するアルファ・エクスプロレーションが日本で初となる報道関係者向けの説明会を実施。Clubhouseの現状について紹介するとともに、日本での今後の取り組みについても説明した。

アルファ・エクスプロレーションの共同創業者の1人であるポール・デイビソン氏によると、Clubhouseで会話するために開く「ルーム」の数は、世界的に見ると初夏時点で30万室であったのに対し、8月が終わった時点では70万室と、倍以上に増えているとのこと。日本でのブーム終息後も世界的に利用は伸びていると説明する。

デイビソン氏は国別のルーム数を厳密に数えているわけではないとしつつ、日本のユーザーに特徴的な傾向として利用時間を挙げている。Clubhouseの利用時間は世界平均で1ユーザー当たり70分程度であるのに対し、日本では夏の初めに101分、現在では113分にまで拡大しており、1人当たりの利用時間が長期化する傾向にあるという見方を示した。

https://active.nikkeibp.co.jp/atcl/act/19/00301/111900026/