私たち日本人の先祖は、願いを叶える絵馬の力を肌身で感じ、心の支えにしてきました。
日本人には、すべてのものに命が宿るという「八百万(やおよろず)の神様」という考え方があります。
今、私たちが生きているのも、見えているもの、見えないものすべてに宿る自然の中の魂(神様)が、私たちをさまざまな形で支えてくれているからです。
どんなものにも命があり、神様が宿るという神道の考え方は、私たち日本人を根底から支えているのです。
絵馬は木の命をいただき、描かれています。
絵馬には、木の神様が宿っているのです。

本書にある71の絵馬は、天然の木曽檜(樹齢300年以上、年間20万本の希少材)の上に絵馬師である私が、生命を吹き込んだものです(一部和紙に描いたものがあります)。
あらゆる悩みを網羅した、さまざまな種類の絵馬を描きました。
あなたがつらいとき、絵馬はあなたの願いや悩みの聞き役となってくれるでしょう。
それはまるで、“天然のカウンセラー”。
絵馬は、そっとあなたに寄り添い、あなたの願いを叶えてくれるのです。

私はこれまで20年以上、絵馬を描いてきました。
おかげさまで、誉れ高い平成27(2015)年度「神道文化賞」をいただきました。
神道文化賞とは、神社・神道の文化を広める意義ある活動をした功労者に贈られる、50回を超える伝統のある賞です。
私は日本で唯一、神道文化会から表彰された「絵馬師」として、長年、神社にお参りにくる方々のために、幸福の絵馬を描いてきました。
現在も、絵馬を通じて人と神様を繋ぐお手伝いをしています。

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本書の最後に、日本滞在中の文章「作品による救済について」も載っている。
「ある秋に、時と老いる季節の一つに、それが初めてではないけれども、神道の神々が出雲に集まった。
その数は八百万に上ったそうだが、わたしは非常に内気な男なので、そんなに多くの神様に囲まれたら途方に暮れてしまいそうだ。(……)
(1984年4月24日、出雲にて)。
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