個人金融資産が最大の1999兆円に 9月末、株高・円安で

日銀が20日発表した7〜9月期の資金循環統計(速報)によると、9月末時点で個人が保有する金融資産は前年同期比5.7%増の1999兆8000億円と過去最大に膨らみ、2000兆円に迫った。株高・円安で個人が保有する株式や投資信託の評価益が膨らんだ。

家計金融資産は6月末時点で1991兆円だった。増加は6四半期連続。2020年3月から21年9月末までの間に金融資産は約180兆円増えた。9月末時点の内訳をみると現金・預金が前年同期比3.7%増の1072兆円と最も多く、保険・年金・定型保険の539兆円が続いた。

個人の金融資産を押し上げたのは株高・円安だ。9月末時点の日経平均株価は前年同期比27%上昇し、円相場も2020年9月末の1ドル=105円台から21年9月末では111円台まで下落。9月末時点で家計が保有する株式は29%増の218兆円、投資信託は24%増の90兆円まで膨らんだ。

資産形成ブームの中で個人が投資を積極化している米国株の上昇も個人資産を押し上げている。ダウ工業株30種平均は9月末時点で前年比22%上昇。円安も加わって評価益を押し上げた。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB200FI0Q1A221C2000000/