世界最大のSNSを運営する米フェイスブック(FB、現メタ)が、政治家ら著名人の投稿を一般とは違う基準で扱い、
規定に反する内容や虚偽情報でも容認していたことが、朝日新聞が入手した同社の内部資料からわかった。
こうした特別扱いには社内でも「利用者を誤った情報にさらす」といった指摘が複数回されていたが、対策は遅れていた。

FBは従来、投稿内容への規制などは公平に行っていると主張してきた。
特別扱いのアカウントは社内で事前承認を意味する「ホワイトリスト」と呼ばれていた。
FBが設けた監督委員会も情報開示の問題点などを指摘し、FBは同委員会に対して見直しの提言を求めている。

 FBは著名人のアカウントに対し「X(クロス)チェック」という仕組みを用いていた。
内部文書によると、本来はこうした著名人のアカウントのチェック態勢を手厚くし、不当な抗議などによって不必要に削除されることを
防ぐことが目的だった。

 だが、実際にはXチェックの対象として登録されたアカウントは、FBの基準に反する投稿があっても削除されないことが多かったという。
FBの内部文書は「選ばれた少数の人には基準を適用していない。影響を受けずに違反できる」と指摘していた。
登録基準もあいまいだったという。

Xチェックの対象にはスポーツ選手らも含まれていたが、FBの中でも特に問題視されたのは政治家の特別扱いだった。
2019年5月の社内文書は、政治家のホワイトリストについて「FBが公言している基本原理と矛盾している」と厳しく批判している。

https://www.asahi.com/articles/ASPDM543HPDDUHBI003.html