尼崎市幹部がLGBTの職員指導 市長「どこに問題あるかしっかり分析」
https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/202112/0014930765.shtml

兵庫県尼崎市保健所の幹部が性的少数者(LGBT)の30代男性職員に公務中のカミングアウトを控えるよう指導した問題で、稲村和美市長は20日、LGBTらを支援する仲間「アライ」を増やす取り組みを始める方針を示した。当時の幹部の対応については、詳しい報告を求めているといい、「どこに問題があるのかしっかり分析したい」と検証の必要性に言及した。

アライは同盟や味方を意味する英語「ally」が語源。性的指向や性自認に関する嫌がらせを止めたり、性的マイノリティーへの理解を周囲に広めたりする役割が期待され、自治体でも施策化の動きが進む。

性の多様性に関する研修は来年1月に開き、全職員に参加を呼び掛ける。参加者全員にシールを配るといい、身に着けたり職場に張ったりしてもらう。

稲村市長は「差別をなくしたいという姿勢や気持ちの『見える化』は当事者の応援になる。市役所の外でもアライの輪を広げていきたい」と話した。また、人権研修や、市民と接する職員が適切なコミュニケーションを実現するための研修も始めるとした。

一方、市保健所に「男性職員から性的指向を打ち明けられて不快な思いをした市民がいる」と訴えた同市の動物愛護団体は「複数の記事を確認したが、事実とかけ離れた内容で驚いている」とメールでコメント。市に検証委員会の設置を働きかけるとしており、事実関係については「その場で申し上げ、きちんと対応したい」とした。(竹本拓也、大田将之)