22日に国内で初めて承認申請された薬があります。“飲む中絶薬”です。イギリスの製薬会社が開発したもので、2つの錠剤を服用して人工的に流産を起こすものです。
治験に参加した東京大学・大須賀穣教授:「人工妊娠中絶のために世界では2通り用いられる。1つは外科的方法、1つは薬剤による方法。2つの方法から自分で選べるということは非常に重要な意味を持つ」

日本の中絶件数は年間15万件程ですが、選択肢は外科的処置のみです。
一つはWHO(世界保健機関)が推奨する吸引法。
そして、もう一つが金属の器具を使う“掻把(そうは)法”です。
産婦人科医・対馬ルリ子医師:「細いのから順番に子宮の入り口に入れて」
掻把法とは、金属の器具で子宮内から胎児と胎盤を除去する手術法です。国内では広くこの方法が取られています。しかし…。
産婦人科医・対馬ルリ子医師:「掻把法ってどうしても事故がある。子宮に穴を開けたり、傷付ける恐れがある」
WHOも安全性に劣ると指摘。費用も約10万円と高額です。

一方で、22日に承認申請された“飲む中絶薬”の原価の平均価格は770円です。現在、80を超える国で使われています。
治験に参加した東京大学・大須賀穣教授:「(日本では)女性の健康を自分の手で守るという考え方の導入が遅れていたので(経口中絶薬の)導入も非常に遅れた。(中絶が)これまでより安全になるというわけではない。選択肢が増えただけ」

https://news.yahoo.co.jp/articles/832d37c1e09d52ee4cce8017c1504f4c994d5275