飲食店店主たちが明かす「これは不条理だ」と感じるクレーム

東京都新宿区で長年居酒屋を営むFさんは、「あらゆるクレームを受けてきた」と振り返る。
「ウチは席数が50以上ある中型店ですが、最も多いクレームは、『料理や飲み物が遅い』と『店員を呼んでもなかなか来ない』ですね。
繁華街のど真ん中にあるため、予約無しに10人単位のお客様が来ることが多く、捌けなくなってしまう瞬間が生まれてしまうんです。
同業者と話をすると、『接客態度が悪い』『異物が入っている』『オーダー、勘定が違う』なども多いようで、それがクレームの上位5つじゃないでしょうか」(Fさん)

これまでには「メニューにクレープないの? 何で?」「トイレの便器のメーカーが気に入らない」
「イスがガタついていて、尻が痒くなった」など、想像もつかないようなクレームを受けたこともあるとか。
“お客様”の意に沿うのも客商売では大切な作業だが、本当に困ってしまうのは、良かれと思ってやっていることが受け入れられないパターンだ。

かつてタコ焼き屋を経営していたYさんは数年前の冬、こんなクレームを受けた。

「タコ焼きを買ったお客さんがしばらくして戻ってきて、『お前の店のタコ焼きは熱すぎるんだよ!』と、怒鳴られたことがあります。
タコ焼きなんて、熱々じゃなきゃ美味しくないのに……。
とっさに『一口で食べないで、細かく刻んで少しずつ食べて下さい』と言ったら、納得してくれましたが、
心の中では『お前はタコ焼き食うなよ』と叫んでいました」(Yさん)

Yさんは、すでにタコ焼き屋を畳んでしまったが、他に思い出深い経験としては、「タコを抜いてくれ」と言う客もいたという。
https://article.auone.jp/detail/1/3/6/219_1_r_20211123_1637651113050499