検査不正問題を調べていた三菱電機は23日、鎌倉製作所(神奈川県鎌倉市)でつくるETC設備などで新たに不正が見つかったことを明らかにした。一連の問題の責任について、元職を含む役員計12人を処分する。漆間啓(うるまけい)社長は月額報酬の50%を4カ月返上する。

 同日午後に、社外の弁護士らでつくる調査委員会や漆間社長が会見し、説明する。  漆間氏のほかに処分を受けるのは柵山正樹・前会長や杉山武史・前社長ら12人。元役員6人については、いずれも報酬の自主返納を求める。
社外弁護士らでつくるガバナンスレビュー委員会は、不正問題に適切に対応しなかったとして、柵山氏と杉山氏の経営責任について「極めて重い」と指摘した。  福山製作所(広島県福山市)や鎌倉製作所では、新たな不正が見つかった。長崎製作所(長崎県時津町)でつくる非常用発電機について、設計ミスによる重大な不具合があったことも判明している。  
三菱電機では、長崎製作所でつくる鉄道用の空調設備などの検査で、長年にわたって不正が続いていたことが6月に発覚した。ほかの拠点でも不正が相次ぎ、前社長の杉山武史氏と柵山正樹会長の経営トップ2人が引責辞任した。漆間氏が7月、専務から社長に昇格した。  
漆間氏は2017〜19年度の3年間にわたり、不正が見つかった長崎製作所などを統括する「社会システム事業本部」の担当役員だった。三菱電機が10月に発表した調査報告によると、18年度にあった一斉点検では、長崎製作所で不正の疑いがあるとの報告が事業本部に上がっていたが、長崎製作所に処理を任せて十分な改善を確認していなかった。
当時の対応について、漆間氏は10月の記者会見で「私が担当の時に出し切れなかった。真摯(しんし)に受け止めている」と発言。漆間氏の対応が適切だったかどうかが問われていた。

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