経済協力開発機構(OECD)は様々な分野で活動しており、生産性に関する統計や分析にも力を入れている。
OECDは幾つかの生産性統計を国別に公表しているが、ここでは「労働時間1時間当たりの実質GDP」を見てみよう。

なお生産性に限らず、複数国の経済データを検討する際には、比較可能性を確保するため共通の単位を用いる必要がある。
その1つの方法は、その時々の為替相場を使って共通通貨(例えば米ドル)ベースに換算することだが、為替相場はしばしば大きく変動するため、換算されるデータはその影響を強く受ける。
これを避けるため、購買力平価(PPP)を使用した労働生産性に的を絞って議論する。

このベースで算出された日本の労働生産性は、統計が利用可能な1970年以降現在まで、一貫して20位近傍を推移している。
この間、OECD加盟諸国は23から38に増えており、日本の順位は大方の新規加盟国(その多くは新興市場国)より高いが、当初から日本を上回っていた先進国を追い越すという現象はほとんど生じていない。

https://business.nikkei.com/atcl/seminar/20/00049/122000003/
https://i.imgur.com/fdJW0Np.jpg

結局、日本経済は人口の多さに大きく依存したものだった
日本の労働生産性は先進国を追い越すどころか、追いついたことさえ過去一度もないのだ