年末の大掃除で捨てる予定のゴミから思わぬお宝が見つかるかもしれない。リサイクルアドバイザーの泉澤義明氏が語る。
「不要品だとばかり思っていたモノでも、インターネットを介した売買サイトでは思わぬ金額で取引されることがあります」
ここ数年、中古品の売買でブームとなっているのが「昭和レトロ」なアイテムだ。フリマアプリアドバイザーの川崎さちえ氏が言う。
「昭和40年代の『花柄ポット』を象印が復刻して話題になるなど、昭和の“レトロ可愛い”商品が若い世代から注目を集めています」
レトロな花柄やフルーツ柄などが描かれたグラスが5個セット1500円ほどで取引される。景品などでもらったものの、眠ったままの食器がお金になるのだ。
土産物や置物にも意外なニーズがある。
「北海道のお土産としてよく販売されている木彫りの熊は民芸品コレクターから需要があります。サイズによりますが、1000〜5000円ほどで取引されています。
同様に、ご当地キーホルダーやタペストリーもニーズがあります。昭和の時代に観光地で販売されていたような地名の書かれたキーホルダーやタペストリーは、昭和のデザインを求める愛好家に好まれます。まとめ売りをすると、1セットで1000円ほどになることも」(川崎氏)
カセットテープが1本1万円も
昭和レトロブームは古着にも及ぶ。
「もともと衣類はマニア人気が高く、リサイクルショップで買い取ってもらえない服がインターネットなら売れやすい傾向があります。1970年代のベルボトムジーンズが1万円以上になることもあります」(泉澤氏)
昭和の家電類は「壊れていても売れる」とのメリットがある。
「昔の扇風機やテレビ、ミシンなどの家電類はインテリアとしても好まれます。また、劇団などが小道具として使うために購入することもあります。値段には幅がありますが、扇風機1台で2000〜3000円になるケースが多い」(川崎氏)
不要品を積み重ねるだけでも、そこそこのお金になるが、自宅に眠っていたら一攫千金となるものもある。
「ソニーの初代ウォークマンは、美品ならば約10万円の値が付くことがあります。また、漫画ドラゴンボールの連載が始まった週刊少年ジャンプが14万5000円で売れたこともあります」(泉澤氏)
一方、川崎氏は「カセットテープ」に注目する。
「音楽マニアは音質にこだわり、昔のカセットテープで録音した柔らかい音を求めます。なかでも1980〜90年代に発売された最高級品のメタルテープは、全体的に高値が付きやすい」
例えば、ソニーの最高級メタルテープ「METAL MASTER」は、未使用なら1本1万円ほどで取引されるという。
押し入れに宝物が眠っている可能性はある。入門書やインターネットでメルカリなどの始め方を調べたり、友人などにやり方を聞くなどして、楽しみながら大掃除をしてみてはどうか。
https://news.yahoo.co.jp/articles/dcac72c58bdebbb1da3a5dbb9af3ea87b61665fd