松野博一官房長官は27日の記者会見で、北朝鮮による拉致被害者の田口八重子さん(66)=拉致当時(22)=の兄で家族会前代表の飯塚繁雄さんが死去するなど、高齢化した家族と被害者の再会までの猶予が限られている現状について「度重なるご家族の訃報に接し、一刻の猶予もないと切迫感をひしひしと感じている」と述べた。

会見で松野氏は有本恵子さん(61)=同(23)=の父、明弘さん(93)と横田めぐみさん(57)=同(13)=の母、早紀江さん(85)を念頭に「被害者の親御さんの世代がご高齢の2人だけになってしまった」と語った。

その上で「政権の最重要課題である拉致問題の解決に向けては、何よりもまず、わが国自身が主体的に取り組むことが重要だ」と強調し、岸田文雄首相と金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記の早期のトップ会談実現へ全力を尽くす考えを示した。

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