岸田文雄首相は21日、臨時国会後の記者会見で、新型コロナウイルス対策として
安倍晋三元首相が配布した「アベノマスク」の在庫約8200万枚について、
保管を続ければ税金の無駄遣いになるとして、来春までに全て処分する考えを明らかにした。

 会見を聞いて、少なからぬ人が驚きを感じたのではないか。
首相が「脱安倍」を進めようとする姿勢を随所に見せたからだ。
森友学園を巡る財務省決裁文書改ざんに関しては
「私自身も真摯に向き合い、説明責任を果たすべく努力しなければならない」
と改めて指摘し、安倍氏を当てこすった。

(中略)
 首相の心情と狙いについて、岸田派のベテラン議員は「内閣支持率が上がるからと、ドライにやっている」と解説する。
「世論調査を基にしている。森友でも桜でも、ほとんどが安倍氏に批判的だ。首相はその反対をやっているだけ」なのだという。

 来夏の参院選を見据え、世論の声をよく聞いた上で「脱安倍」を実践しているというわけだ。
政権浮揚と求心力アップのために「安倍氏の『負の遺産』を有効利用している」とも言える。
首相は「意外と政局巧者」という評の通りだ。

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