何度も言うが民主主義の基本は多数決ではない
田中良紹ジャーナリスト
2017/5/24(水) 21:38
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フーテン老人世直し録(304)
皐月某日
民主主義の基本は多数決にあるのではない。国民の多数の判断が正しいという保証はどこにもないからだ。従って民主主義は多数が選んだ者に権力を与えるが、一方で「多数は間違いを犯す可能性がある」との前提に立つ。そのため民主主義は多数が選んだ権力をチェックする様々な仕組みを必要とする。
例えば三権分立が必要である。民主主義以前の、力で行政権力を手にした時代に三権分立はない。権力者は思い通りに政治を行うことが出来た。が同時に力で権力を奪われる宿命にある。つまり権力の交代には血が流れた。
民主主義は血を流さずに権力を交代させる仕組みである。国民の多数から選ばれた者に行政権力を与えるが、多数の選択が正しい保証はないから、行政権力は司法と議会によってチェックを受けなければならない。
司法は法律に基づいて行政権力をチェックする。議会は国民の少数派を代表する者との議論によって行政権力をチェックする。つまり多数の支持で権力を交代させるが、それが絶対的ではないというのが民主主義の民主主義たる由縁である。
https://news.yahoo.co.jp/byline/tanakayoshitsugu/20170524-00071298