11月25日午後2時ごろ、横浜市戸塚区で、71歳の男が運転する車がバス停に突っ込み、4人をはね、このうち女性2人が死亡、男女2人が負傷した。事故直前、現場のおよそ100メートル手前を、1台のワンボックスカーがゆっくりと進んでいくのを防犯カメラは捉えていた。

ワンボックスカーは、少なくともおよそ30メートル手前から歩道に乗り上げ、バス停に突っ込んだという。現場には急ブレーキをかけた痕はなかった。ただ”暴走事故”と言えるほど、スピードを出した形跡も見当たらなかった。

並んで写真に映るのは事故で死亡した渋谷幸恵さん(当時56)と夫の貴寛さん(59)。2人が結婚して間もないころの写真だそうだ。幸恵さんは、仕事に行くためにいつもこのバス停を利用していたという。そして、あの日、事故に巻き込まれた。

取材に対して、貴寛さんは、「午後2時半すぎに、幸恵に電話したけど出なかった。運転手には免許を返納してほしい」などと涙ながらに訴えた。

一方、車を運転していた71歳の内装業の男は、現行犯逮捕され、過失運転致死傷の疑いで送検された。当時、仕事で、都内から鎌倉市まで向かう途中だったという。検察は、事故の2日後、処分保留のまま、男を釈放。FNNの取材に対して、男は、釈放後、次のように話していた。

運転していた男:自分自身にがっかり。本当に悪いことをした、すごいことしちゃったと。それだけです。
記者:また運転するのか?
運転していた男:仕事上しないといけないが、免許証がどうなっているかですよね。
記者:免許が戻ればまた運転するのか?
運転していた男:まだしないといけないと思うんですけど、免許がなければ運転できないですよね。仕事しないと、まだ70代ですから

2人の命が奪われた重大事故なのに、男は、どこか他人事のような口ぶりだった。取材に対して、事故原因についても言及しなかった。神奈川県警も、事故原因を明らかにしていない。刑事処分は決まっていないが、公の法廷で、事故の経緯が語られることが望まれる。

https://www.fnn.jp/articles/-/292496?display=full