氷雨そぼ降る京都にいる。JR京都駅にほど近い新熊野神社(京都市東山区)は、後白河法皇が1160年に創建した由緒あるお社である。
「とんでもない話です。神社や神職が改憲の署名集めだなんて」。強い口調で言うのは尾竹慶久宮司(65)その人。

古い時代の神道に詳しく、2008年、神道と仏教の境がなかった明治期より前の「神仏習合」の古式にのっとった例大祭を140年ぶりに復活させたことでも著名だ。

その矛先は、改憲推進団体「美しい日本の憲法をつくる国民の会」(国民の会)に全国8万社を傘下に置く宗教法人・神社本庁が参加し、
各神社で改憲賛成の署名運動が行われていることに向けられている。初詣の際、署名を求められた人もいるだろう。

「我々の職務は、参拝者に気持ちよくお参りをしていただく環境を整えることに尽きます。不快感を抱く人もいる改憲運動を持ち込むのは、神職の職務放棄、神社の私物化です」。
新熊野神社は神社本庁傘下ではない独立神社だ。
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