ウィシュマさん死亡の反省無し、入管は存在してはいけない組織―法令・人命軽視、差別助長、自浄能力の欠如

https://news.yahoo.co.jp/byline/shivarei/20211231-00275346
このところ、出入国在留管理庁(入管)の動きが活発だ。メディアに対する情報のリークやブリーフィングなどが行われているのは、一部報道でも報じられているように、次の通常国会での入管法改定案(実体は「改正」とは言い難く、むしろ「改悪」案であったので、本稿では改定案と表記する)の再提出を目論んでいるからだろう。入管法改定案は今年始め、国会に提出されたものの、名古屋入管に収容中であったスリランカ人女性ウィシュマ・サンダマリさんが著しい健康状態の悪化にもかかわらず、適切な医療を受けられないまま死亡したことで、入管への批判が高まり、政府与党は入管法改定案の国会会期中の成立を断念したという経緯がある。そもそも次の国会で審議されるべきは、入管自体を根本から作り変えることだろう。過去20年余りに渡り国内外の勧告にもかかわらず改善されず、憲法や国際人権規約、DV防止法、被収容者処遇規則...etc.と言った法令やそれに準じる規則よりも、差別主義を優先し、人権侵害を何度でも繰り返し、人命まで奪うような行政機関は存在してはいけない。まずは、一度、入管を解体し、野党提案にあるような組織に作り変える。それこそが、次の国会で審議されるべきことなのだ。

注:本記事は有料記事であるが、公益性を重視し、全体の半分ほどを無料公開している。

○ウィシュマさんを死なせた差別意識
 先に配信した記事で書いたように、入管は今月21日に報道関係者向けの資料を発表し、記者達に対するブリーフィングも行なった。その内容は、難民その他の帰国できない事情を抱える外国人達に、「送還忌避者」というレッテルを貼り、かつ「送還忌避者は危険で排除すべき存在」と、実際の統計を歪めてのネガティブ・キャンペーンであった。