「岐阜県には何もない」。そんな言葉を聞いたことがある人は少なくないはずだ。どこか諦めに似た空気をまとわせてつぶやかれる言葉。「岐阜県にはどうせ何もないから」

 本当だろうか?
 日本列島のほぼ中心に位置し、地面からは化石も出てくる。織田信長や明智光秀が活躍した胸躍る歴史のストーリーがある。清流には鮎が遊ぶ。水が森や田を潤し、コメや野菜、牛や豚を育む。新型コロナウイルスの感染が広がる前は、鵜飼や高山祭、白川郷に海外からも人が来た。夏は暑く冬は寒い。その分、春と秋の喜びを強く感じられる。
 岐阜県には本当に何もないのだろうか。

 岐阜新聞社は昨年秋、県民ら400人以上に次の三つの質問をした。「岐阜のタカラはなんでしょう」「その理由は」「100年後の岐阜県人へ伝えたいメッセージを教えてください」

 驚くほど多様な回答が寄せられた。多くの「岐阜のタカラ」は目の前に当たり前にあるので、気付かれなかっただけのようだ。

 もう、「岐阜県には何もない」なんて言う必要はない。ほら、こんなにタカラがあふれている。

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