女優米倉涼子(46)が今年11月に上演される全編英語のミュージカル「CHICAGO」に主演し、自身4度目となる米ブロードウェーの舞台に立つことが12月31日、分かった。

17、19年と同作に出演した米倉が、ブロードウェーデビュー10周年の節目に、ニューヨークに舞い戻る。このほど日刊スポーツなどの取材に応じ、意気込みを語った。

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米倉は12年に「CHICAGO」でブロードウェーデビュー。日本人女優が同地の作品に4度出演するのは初めてとなる。演じるロキシー・ハートは自身にとって「切っても切り離せない役。一番誇りに思っている役かもしれない」と思い入れは深い。本来は昨年の上演を予定していたが、コロナ禍で中止になった経緯があった。それでも「来年自分の夢がかなうなら、ぜひやってみたいという思いがあった」と意欲を燃やし続けた。

今の米倉にとって、舞台出演は大きな決断だ。19年にめまいやふらつきなどを伴う低髄圧液症候群を発症し「とにかく転ばないこと、ぶつからないことが今の私には大切。日々の生活に気をつけて挑みたい」と話す。15歳年上の共演女優アムラ=フェイ・ライトの存在にも刺激を受け「彼女を見ていると、やりたい思いがあるんだったら」と背中を押されたという。体作りはこれからで「今はドラマが終わったばかりなので、運動もゼロ。ラジオ体操から始めます」と笑う。

リバイバル版「CHICAGO」は96年に初演され、昨年25周年。アメリカ作品として歴代1位のロングラン上演記録を持つ。作品の魅力について「大抵みんな悪人。その中で自分がどう生きていこうかという雑草感。私は日本で(『ドクターX』の)大門未知子という正義の味方みたいな役をやってますけど、悪役も好き。その人が持っている悲しさとか憂いとか、そういうものが全て含まれている」。ロキシーの好きな部分については「最初からトップじゃないというところ。私も隣の芝生が青く見えるタイプなので、そういう部分がリンクしている。どうにかして生きてやるんだという思いが、私とロキシーのつながりかなと思います」。

ブロードウェーデビューから10年を迎え「私にも後輩ができたんですよ」と笑みを浮かべる。初出演時は緊張しきりで「とにかく自分のせりふが言えるかどうか、振りを忘れないかどうか」。それが周囲に波及し「『涼子ができるのかどうか』って、みんな疲れちゃったみたい」と振り返って苦笑する。今では、スタッフの顔も自分の居場所も分かるようになった。自身の成長も感じており「みんなとのセッションの時間を楽しめるようになってきた。調子に乗ると間違えるので、気を抜かずに楽しめる時間が増えたらいいな」と期待を込める。

20年春に所属事務所から独立。プライベートは「安全安パイに終わってほしい(笑い)。最近ワンちゃんを迎えて、すっかり親になっちゃってる」と落ち着いたムードだが、Netflix「新聞記者」の配信を13日に控えるなど仕事面はアグレッシブだ。米倉は「私の中では、好奇心が消えたら終わりだと思っているんです」と、新しいフィールドにも意欲をみせる。「2022年も新しい挑戦をしていきたい。あんまり若くないですけど、挑戦の年にしたい」と笑顔で抱負を語った。
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