買いと売り方のポジションを同時に保有する“両建て”戦略

えみり: ボビーさんは毎週100回ちかくトレードして、ホントすごいなーって思ってます。どんな感じでやられてるんですか?(と言ってボビーのiPadをのぞき込む)あれ!? ポジションが真っ赤ですよ! これ含み損ってことですよね? 大丈夫なんですか!?

ボビー: ダイジョウブ、ダイジョウブ。これは待ってればプラスになるやつだから。それにホラここ見て、含み益になってるポジションもあるでしょ。こっちは売りのポジションで、こっちは買いのポジション。
えみり: えっ? 上がるか下がるか予想して、ロング(買い)かショート(売り)のポジションを持ってるんじゃないんですか?

ボビー: 予想はする。でも、予想通りに行くなんて思ってないもん。だってプロだってハズす世界なんだぜ。それに「上がったものは下がり、下がったものは上がる」というのがオレの考え方。だから上がったらロングを利益確定し、下がったらショートを利益確定する。

えみり: 損切りの注文はどこに入れてるんですか?

ボビー: 基本的に損切りはしないの。ロングとショートを両方持ってれば、どちらかがマイナスになっても、もう片方はプラスなわけでしょ。あとは状況を見てどちらのポジションを多くするか少なくするかっていう作業。それも少しずつ、少しずつ。いっぺんにはやらない。

えみり: でも、両方同じだけ持っていたらプラスマイナスはゼロ。それなら現金にしているのと同じなんじゃないですか?

ボビー: わかってないな。いつも全力でポジションを持っているからこそ、値動きを真剣に、一生懸命見るんじゃないか。それに、おれは全部(のポジション)を勝とうと思ってないの。
いい? こう考えて。相場の世界には親方がいて、ガチで勝負を挑んでも絶対にかなわない。だからおれたちは親方の顔色を見ながら、ゴキゲンをうかがいながらトレードする。
5本(ポジションが)あったら2本は、最初から親方の取り分と考える。そして3本は自分の利益にさせてもらう。「親方、利益確定しましたけどあなたの取り分は残してありますんで」つって。
https://zai.diamond.jp/articles/-/163272