中露の脅威「歴史に並べ」 なめられ、利用され、思い通りに動かされる日本 「第3次世界大戦の発火点はウクライナか、台湾か」 作家・ジャーナリスト、門田隆将氏

中国共産党政権が香港などでの苛烈な人権弾圧を正当化し、北京冬季五輪の開幕が迫るなかでも、台湾などへの軍事的威圧行動を止めようともしない。
一方、ロシアによるウクライナ侵攻も懸念されている。こうした現状で、岸田文雄政権はどう対処すべきなのか。人気作家でジャーナリストの門田隆将氏が、「歴史に学ぶ」ことの必要性を鋭く説いた。

(中略)

岸田文雄政権はそんななか、対米、対中の「二股外交」を展開している。
五輪への政府代表を派遣しない「外交的ボイコット」にもなかなか踏み切れず、先の臨時国会の所信表明演説では、岸信夫防衛相から「台湾海峡の平和と安定」を中国に対して求める文言を加えるよう要請されたが、拒否したことも明らかになった。
「親中派」の宏池会(岸田派)ならば当然だろう。中国は天安門事件(1989年)での国際社会からの制裁打破に、宏池会の宮沢喜一政権を利用して天皇訪中(92年)を実現し、国際社会の包囲網を突破した。

当時の銭其シン(せんきしん)外相が、回顧録『外交十記』で天皇訪中を「西側の対中制裁を打破する上で積極的な役割を発揮し、その意義は両国関係の範囲を超えたものだった」と回想したのは、あまりに有名だ。
中国に舐(な)められ、利用され、思い通りに動かされる日本。私が歴史の示唆と教訓を思うのは、国際社会には、これを「生かす国」と「生かさない国」の2種類があるからだ。日本が後者であることが情けなく、恐ろしい。

https://www.zakzak.co.jp/article/20220102-6DWYNGQCZJLOTNXDLDKU4BPZH4/3/