デイユースプランを“ひそかに”支えた需要
一方、コロナ禍で露呈したのが“カップル需要”の堅調さである。前述のテレワークやフレックスといったデイユース的な利用は、ビジネスパーソンのリモートワークというイメージでメディアからも発信されてきた。実際に現場調査してみると、もちろんそのような利用はあるものの、カップル需要に支えられてきた側面がある。
ある外資系ラグジュアリーホテル担当者の「大きな声では言えませんが……カップル利用がほとんどでした」という話が印象的だった。確かにセンシティブな部分もあり具体的な統計をとるのは難しいが、カップルのデイユース利用と高級ホテルの親和性は“ひそかに”高い。
無論、高級ホテルばかりではない。コロナ禍当初、某有名宿泊特化型ホテルチェーンで、1泊3000円ポッキリという格安プランが話題を呼んだ。メディアから覆面現場取材のオファーがあり、数軒のチェーンホテルをリサーチした。すると、若いカップルが次から次へとチェックインに訪れているのだ。
エレベーターから降りてきたのも、“すし詰め状態”のカップルである。コロナ禍で宿泊需要や出張需要が激減する中で、カップル需要の堅調さをあらためて感じるシーンであった。コロナ禍ではホテルに限らず「おこもり需要」がフォーカスされたが、ホテルの堅調なカップルユースも、ある種のおこもり需要なのかもしれない。
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