雌のボスザルが恋、トップから転落の可能性 動物園スタッフが注視
2022/1/5 06:30
1953年の開園以来、初めて雌がボスザルになった高崎山自然動物園(大分市)で、2頭の雄がボスを巡る恋のさや当てを繰り広げている。恋に落ちたボスがトップの座から転落する可能性もあり、園のスタッフは注視している。
園のニホンザルにはB群(677頭)とC群(362頭)の二つの群れがあり、園は先代ボスのナンチュウ(雄、推定31歳)にけんかで勝ったヤケイ(雌、9歳)を2021年7月、B群の序列1位とした。
ヤケイにB群序列6位のゴロー(雄、推定15歳)が近づいたのは21年11月初め。ヤケイは雄が雌にかみつくゴローの求愛行動を嫌がることなく受け入れた。「ヤケイの顔とお尻を見てください。真っ赤でしょ。恋をしている証しです」。12月中旬、園のサル寄せ場で職員は説明した。餌の小麦を食べるヤケイのそばにはゴローがいた。
しかし一時、ゴローがヤケイに関心を示さなくなった隙(すき)を突いて序列5位のルフィ(雄、推定18歳)が割って入った。ヤケイはルフィが近づくと逃げたり威嚇したりするが、ゴローは序列でかなわないルフィが来ると逃げてしまう。「ヤケイとゴローは相思相愛だと思うが、どうしてもルフィが邪魔をする」と園職員の下村忠俊さん(48)は気をもむ。
ヤケイはトップに就いた後、威嚇するようにしっぽを上げて歩き、木を揺らすなどボスらしい示威行動を見せていた。しかし、発情期に入ってそうした姿を見せなくなっているという。今後、発情して攻撃的になった雄がヤケイからボスの座を奪う可能性もある。
略
https://mainichi.jp/articles/20220105/k00/00m/040/002000c