知念実希人 小説家・医師@MIKITO_777

私を含め多くの創作者は『社会に影響を与えよう』などと思って作品を作っていません。
エンターテイメントは読者・視聴者を楽しんで頂くことが何よりの目的です。
『作品で社会を正そう』などと、まるで自分は『絶対的に正しい』というような姿勢で作品を作ることは読者・視聴者に失礼だと思います。

Mayo "SEN" Naito?@SEN1227
『動物のお医者さん』は日常コメディで、おそらく「作品で社会を正そう」という意図では書かれていないけど、
「獣医学部に関心を持つ人が増える」という良い影響を社会に与えた反面、
「気軽にシベリアンハスキーを飼って捨てる人が増える」という悪影響もあった。
それに対し作者が謝る必要はないけど、「次にペットが主役の作品を描く時は注意書きを入れよう」とか、
「飼育の大変さもしっかり描こう」と考えるのが、作品の影響力を自覚し、
責任を持てるクリエイター(作者本人だけじゃなく、後発で似た話を描く別の作家も同様)。
そうすれば、無責任に捨てられる犬がほんの少しでも減って社会が良くなる


批評についても同様で、「ペットを捨てる人が増える悪影響がある/あった」という批評は、
作品そのものが変わらなくてもそれを読んだ人の意識を変える力がある。
そうやって創作物と社会は相互に影響しあって進歩、発展、成長していくもんでしょ。

批評性がなければ進歩も発展も成長もない、ただの屍だよ

「SHIROBAKO」は面白い作品かもしれないけど、面白さは認めた上で
「男女の描き方の差があまりにアンバランスで、アニメの制作現場にいる多様な年齢、
容姿の女性を不可視化している」という批評も成立するでしょ。

その批評に同調して、「じゃあ私はアニメ会社のリアルな女性像を描こう」という作家が
現れる、あるいはすでにあるそういう作品が可視化されたら、それは社会へ与える良い影響じゃん。
それが批評の意義でしょ。

…ってこれくらい噛み砕けば伝わるのかしら?

つーかこの知念という人も、仮に「ワクチンって無意味だよね」って主要キャラが言って
作中で否定もされない現代日本が舞台のフィクションが大ヒットしたら怒ると思うんだけど、
それも「作品の内容と関係ない苦言」で「プロの仕事とは思えない」のかな

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