「失われた30年」を反転させる2022年に アベノミクスの「負の部分」を修正

急速に低下した産業競争力

 家計が振るわないことと共に気がかりなのは、産業競争力の急速な低下です。好調な企業業績が賃金に回らなかっただけでなく、有効な設備投資にも回らなかったことが原因です。

 デジタルが世界経済をけん引するということは早いうちから分かっていたにもかかわらず、半導体生産の世界シェアは、この30年で約5割から1割程度にまで低下をしてしまいました。世界をけん引すると意気込んできた5Gの分野も、欧米の先進国にだけでなく、アジアの近隣諸国にも後れを取ってしまっています。

 デジタルと並ぶ成長分野と目されるグリーン分野でも、太陽光パネルの世界での生産シェアは、10数年で約4割から1%未満に低下。風力発電設備の生産シェアも低下してしまっています。

 なぜ、こういう経済になってしまったのか。その原因に手当をしなければ、良好な経済を築くことはできません。 ・・・

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