【SNSと向き合う】レッズ秋山「年々鋭利に」小泉進次郎氏「ゼロは無理」
https://www.nikkansports.com/baseball/mlb/news/202201070001145.html

昨年12月に行われた小泉進次郎衆議院議員(40)と、米大リーグ・レッズ秋山翔吾外野手(33)による2度目の“横須賀会談”。環境大臣から一国会議員に戻った進次郎氏と、メジャー2年目の昨シーズンはふがいない結果に終わった秋山。神奈川・横須賀市出身の2人が語り合った全文を、3回に分けてお届けする。

中編は「SNSとの向き合い方」について。

SNSを通じて誰もが情報を発信し、自由に意見を言える時代。顔の見えない相手からたたかれたり、考えがうまく伝わらないという“壁”もある

進次郎(以下、進) 本当に陰湿で容赦ない、こういう時代に入って、その中でも大臣のときも、何だって批判をされる。自分は変わっていないのに、変わったように受け止められるし、なかなか思いがうまく伝わらないなと。そういう中で乗り越えてきたっていうのもありますけど、政治家も人ですから。自分の心の健康を守るっていう意識を持っていないと、やられかねない。これは本当に思いますね。今年の東京五輪は、SNSを通じてのアスリートへの罵詈(ばり)雑言が深刻化したじゃないですか。あれは政治家にとっても人ごとじゃなくて。だから自分の対処としては(SNSを)見ない、遮断するっていう対処をするときも多い。

秋山(以下、秋) 第三者のフィルターを通さずに言えることって怖いなと思いますね。今はこうやって(目の前に)相手がいるから、言葉を選んでしゃべってるのは間違いなくある。だから、1人でしゃべること、1人で発信していくことが強く出るっていうのは、明るい話題に関してはいいんですけど、結構ネガティブなことになると刺さる。

進 アメリカでやっていて、なかなか結果が出なくて、ファンの手厳しい言葉とか、耳に入る?

秋 球場でヤジったりするのはビジターのファンっていう認識だったので、ホームにいる時はそんなに感じないです。まだ僕のことを期待して見ているファンも多いので。ただビジターでは、自分は(ファンから名前を)呼ばれているような感じだったんですけど、味方の選手に後で聞いたら、かなりひどいことを言われていたことはあったみたいです。その選手がボールを捕った後にそのスタンドのファンに向けてボールを投げつけてくれたり、守ってくれる選手もいました。僕は自分が英語を理解しきれてないことで助かっている部分もありました。ファンは自分が応援しているチームが勝ってほしいし、仕方ないと思ってますけど、発信の鋭利な感じは年々、いろんなメディアを通しても感じますね。

進 そこはアスリートの世界も大変じゃないですかね。

−秋山選手は、ツイッターやインスタで発信していない

秋 自分1人で独りよがりでしゃべると、人の表情とか、それを否定してくれる人がいない怖さが勝ってしまう。言った後に「あっ」って思うのがないのが、怖いんですよね。目の前にいる人を納得させるくらいの話し方だったりとか、メディアの方に取材して頂いてしゃべるときぐらいがちょうどいいなって。

進 非常に自己抑制的ですね(笑い)

秋 (発信することの)良い面はすごくあると思います。たとえば進次郎さんのインスタもやっぱり、その活動を知ってもらうっていうスタンスでやられているのが多いのかなと思っていて。

進 僕の1つの思いは、政治家の運動の可視化、見える化っていうところも目的の1つで。ああやって、いろんなところに行って、こういう方々と会っていると発信すれば、こういう活動をやっているんだな、こんな人と会っているんだなと(分かる)。そういったところと、政治家の仕事の多様さ、幅広さも知ってもらいたい。そんな思いもありますね。