鉄骨造建築物の骨組みに使う鋼材「胴縁」の加工で、全国トップクラスの松山鋼材(旭市)。

 「人手が足りず、せっかく依頼のあった仕事を断らざるを得ない状況だ」。向後賢司社長は肩を落とす。25年前からインドネシア人の技能実習生を受け入れ、今年1月段階で36人いたが、現在は21人に減った。

 実習生が働けるのは原則3年間。期限が来たら帰国する。一方、入国制限から新たな受け入れができない。入国禁止前に年明けと決まっていた12人の受け入れは、当面延期になった。つてをたどって国内で職場を失った実習生を受け入れているが、追いつかない。

 「いくら日本人に募集をかけても(きつい・汚い・危険の)3K職場だと嫌われて集まらない。インドネシアの若者は皆まじめに働いてくれる。うちだけでなく、外国人労働者は日本の鋼材加工業に欠かせない存在だ」(向後社長)

 来年4月から年末に実習生は16人が帰国予定だ。向後社長は「このまま労働力が先細りすれば業界として成り立たなくなる。コロナ禍の期間だけでも、日本で働き続けたい技能実習生については、上限期間を延長して働くための手続きを緩和してほしい」と訴える。

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