【AFP=時事】南米コロンビアのビクトル・エスコバル(Victor Escobar)さん(60)は7日、末期症状に苦しむことなく、自ら人生に幕を引いた。
エスコバルさんの安楽死は裁判所の画期的な判断に基づくもので、死の直前に撮影した動画が公開された。

動画は亡くなる数時間前に撮影され、報道機関に送られた。
カトリック教徒のエスコバルさんはその中で、自発呼吸ができなくなる肺疾患との2年におよぶ闘いに勝ったと晴れやかに話した。
「誰でも少しずつ、その時に近づく。だから、さようならは言わないで、また会おうと言っておく。私たちは少しずつ、神のみもとに進んで行くのです」と語った。

代理人の弁護士がツイッター(Twitter)で明かしたところによると、エスコバルさんは西部カリ(Cali)で、医師の立ち会いの下で亡くなった。

動画には、家族に囲まれて笑みを浮かべる生前最後の姿が残されていた。
その後、エスコバルさんは鎮静剤を投与され、さらに致死薬を注射された。

コロンビアは1997年に自殺ほう助を非犯罪化し、昨年7月には高等裁判所が「尊厳ある死の権利」を末期疾患の患者以外にも適用を拡大することを認めた。
南米初かつ世界でもまだ珍しい踏み込んだ判断だ。
コロンビアは国民のほとんどがカトリック教徒で、教会は安楽死にも自殺ほう助にも断固反対している。

欧州では、ベルギー、オランダ、ルクセンブルク、スペインのみが安楽死を合法化している。
https://news.yahoo.co.jp/articles/d8e885d1ffb90530a97c0af22bc80d9616553154