家の前から不燃ごみが持ち去られた。最近、増えているの?」。
福岡市南区の女性から西日本新聞「あなたの特命取材班」に情報が寄せられた。
市によると、「持ち去り事例」は増加傾向にあり、「狙いはアルミ缶」という。背景を探ると、アジアの大国の姿がちらついてきた。

女性宅は福岡市南区の一戸建て。昨年11月中旬、午後9時すぎだった。
物音がしたので窓からのぞくと、自宅前に軽トラックが横付けされ、不燃ごみの袋を持ち去っていった。近所の袋もなくなっていた。
約1年前も同じ経験をしたという。「何か防止策はないのだろうか」。女性は不気味さに不安を隠さない。

福岡市も手をこまねいているわけではない。
資源ごみの持ち去りを禁止する条例改正を2014年に行い、「指導員」も配置。
市民から通報があったエリアや、その晩に不燃ごみの回収を控えている地区などを重点的に車で回っている。

指導員が持ち去り現場を視認した件数は18年度86件、19年度40件。
見回り活動の強化などで減少が続き、市民からの通報件数も減っていた。
ところが20年度は46件、21年度も12月末までに42件と前年度を上回るペースで増えている。
背景は何なのか。市収集管理課は分析する。「不燃ごみに含まれるアルミ缶の価格上昇が背景にありそうだ」

https://news.yahoo.co.jp/articles/945ce81bcc7ead2f0e2b96dccc094765311fa6c9