イギリスで新型コロナウイルス対策のため厳しいロックダウンが実施されていた2020年5月、首相官邸の庭で「飲み物持ち寄り」の集まりが開かれ、100人近くが招待されていたことが、英ITVの報道などで明らかになった。
ボリス・ジョンソン首相と婚約者のキャリーさん(現夫人)も集まりに参加していたという証言もあるが、首相は明言を避けている。
この集まりが開かれたのは2020年5月20日。イギリスは当時、新型ウイルスの感染拡大を受けた1回目のロックダウンの最中だった。このロックダウンでは、他世帯の人とは屋外で1人としか会えない決まりだった。
ロンドン警視庁は、新型コロナウイルス対策の「ルール違反疑惑に関連する相次ぐ報道」について、内閣府に連絡を取っていると発表した。
5月20日の集まりについては、元首相顧問のドミニク・カミングス氏が先週、自身のブログで明らかにした。
その後、ITVニュースが10日、この集まりへの招待メールを報道。ジョンソン首相の首席秘書官、マーティン・レノルズ氏の名前で送られていた。
メールの件名には「距離を取った飲み会!(首相官邸内のみ閲覧可能)」と書かれている。
「とても忙しい昨今ですが、すてきな天気を最大限に生かして、夕方から首相官邸の庭で、社会的に距離を保った飲み会を開催しそうと思います」と記されている。
「午後6時から、ご自分の飲み物を持参の上、お集まりください」
首相官邸ではこの日、新型ウイルス対策をめぐる記者会見が開かれており、オリヴァー・ダウデン文化相(当時)が、過去24時間で363人がCOVID-19で亡くなったと発表していた。
この会見でダウデン氏は、「同居していない人とは、屋外の公共の場で1人だけ、2メートルの距離を置いて会うことができる」と述べていた。
https://www.bbc.com/japanese/59946682