2022年が開始し、その直後、ネット掲示板「5ちゃんねる」で盛り上がったのが「恋愛経験ゼロの42歳こどおじ、オンラインお見合いで37歳女性にお断りされる」というスレッドだ。1月5日時点でパート数は40に到達し上限まで書き込まれており、4万件の書き込みがされていることになる。
5ちゃんねるのスレタイは通常、話題の対象をバカにするような論調が多いが、元ネタの東海テレビの記事は物流工場で働く、母親と2人暮らしの42歳男性が37歳の女性とオンラインお見合いをしたところ、本来の40分という持ち時間を前に通信を切られてしまったというものだ。
「こどおじ」とは、「子供部屋おじさん」の略で、実家に住む配偶者のいない中年男性のことを指す。当然、5ちゃんねるには「実家住みの男なんて、男と思って貰えないという現実」「いくら未婚中年女性を馬鹿にしても、その女性にすらゴミ扱いされるのがこどおじの惨めな現実なんだよな…」などの書き込みが見られた。基本、論調としてはこの手のこうした属性の男性をバカにするものと、既婚者に対する「どうせATMになるんだから女なんかと一緒に住むのは無意味」といった反発が書かれる。さらには「いろいろ言ってるやついるけど40過ぎたら金だろ 金持ちならモテるし、金ないと土俵に乗れない 家庭あるとか、親抱えてるとかあまり関係ない」といった書き込みもあった。
そもそも、なんでこんな恥ずかしい取材をこの男性は受けてしまったのか……という点がもっとも疑問ではある。
今回考えてみたいのは、無職の実家暮らしを意味する「自宅警備員」、そして働いていても「子供部屋おじさん」としてネットの流行語になる背景も合わせて、なぜ「独身のオッサン」が揶揄の対象になるのか、ということである。
奇妙なのが、「子供部屋おばさん」という言葉は「こどおじ」ほどは流行っていないし、「独身のオバサン」は揶揄の対象にあまりならない点だ。「ハゲ差別」などはある一方で、もしかしたら、独身の中高年女性は差別をしていけない、という最低限のモラルはネットにあるのかもしれない。ただし「ババア」を意味する「BBA」は普通に使われている。例えば「37歳女性、結婚相談所で『私に釣り合う男がいない』」といった話題で「年齢を見ろBBA」などと書かれることは多い。
そういった差別状況はあると前置きをしたうえで、なぜ無職の独身中高年男性(実家住みではない場合も含める)がここまでネットで叩かれるのか、について書いてみる。
https://news.yahoo.co.jp/articles/02ff61f5fe5d760ca6a99956f1bc3ace54c6496a