硬貨取り扱いに手数料 枚数によっては赤字に… 募金活動に不安の種

多数の硬貨の取り扱いに手数料を課す動きが銀行に広がり、募金を活動資金に充てている福祉団体が対応に苦慮している。
募金箱を置く協力者らが団体に入金する際、手数料の負担が発生するためだ。「最後のとりで」のゆうちょ銀行にも17日、手数料が新設される予定で、
団体の関係者は「手数料を重荷に感じ協力をやめる人も出てくる」と懸念を強めている。

 「募金が減れば死活問題だ」。盲導犬の育成などに取り組む東日本盲導犬協会(宇都宮市福岡町)の担当者は不安を口にする。

 同協会は2072個の募金箱を全国に設置。盲導犬育成費用の9割超を募金や寄付で賄っている。年間で少なくとも500万円の募金が集まり、うち4割を振り込みによる送金が占める。募金は1円玉を中心とした小銭が多い。

 振り込みはゆうちょ銀行の利用が多いが、同行では17日から、窓口や現金自動預払機(ATM)での硬貨の取り扱いに手数料が発生する。窓口の場合は51〜100枚につき550円、101〜500枚につき825円、501〜1千枚につき1100円などだ。

 「額が多い人ほど送金の際に負担となる。枚数によっては手数料で赤字になる」。奈良部武司(ならべたけじ)事務局長(78)は声を落とした。

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