野球部の強化合宿で利用した岡山県津山市の旅館の宿泊代を高額に偽って申請し、新型コロナウイルス感染拡大に伴う国の旅行需要喚起策「GoToトラベル」の給付金79万円余りをだまし取ったとして、大阪府警は12日までに、大阪偕星学園野球部元監督・山本ル(せき)容疑者ら男3人を詐欺容疑で逮捕した。
山本容疑者は2015年夏、同校を初の甲子園出場に導き、21年4月からは倉敷(岡山)の嘱託職員として野球部の監督を務めていた。他に逮捕されたのは、旅館の経営者・吉間俊典容疑者と、大阪偕星学園高野球部の元コーチ・水落雄基容疑者。
大阪府警によれば、
(1)一般客のGoTo「トラベル」を利用した詐欺は前例があるが、部活動の合宿に絡む事案は例を見ない。
(2)宿泊客の請求による詐欺で、ポイントではなく“現金”をだまし取る事例は全国初とみられる。
また、今回の事案の悪質性としては
(1)野球部監督、旅館経営者など立場のある者による犯行という点。
(2)山本容疑者は野球部の合宿を学校に報告せず、自身の名義で申し込んでおり、部の合宿を私物化していた点。
(3)宿泊客と宿泊事業者が結託しており、「GoToトラベル」の仕組みを根本的に覆している点。
(4)昨夏、大阪偕星学園の選手複数名にわいせつな行為を行い、逮捕された同校元コーチ・水落雄基容疑者が今回の合宿でも選手に対するわいせつな行為があった点。
を挙げた。
現在、山本容疑者が監督を務める倉敷高校の石川哲也教頭は「寝耳に水。本人から事情を聞いていないが、事実関係がわかり次第対応する」と述べた。
https://news.yahoo.co.jp/articles/939cb2706b2fe10b68b990bc8bae646ed633d548