タクシーに置き忘れた100万円入りの財布やタブレットが入った大切なかばんが無事に戻ってきた―。昨年暮れ、こんな体験をした総合葬祭那覇会長の名嘉義人さん(55)。「財布や貴重品は盗まれてかばんだけ戻ってくると思って諦めていた。信じられなかった」。遺失物としてかばんを警察で受け取り、届けてくれたタクシー運転手に感謝した。

 かばんを与那原署に届けたのは南風原町にある明星タクシーの運転手。名嘉さんは昨年12月18日、那覇市東町から市松山までタクシーを利用。その際にかばんを車内に置き忘れた。かばんには現金百万円が入った財布やタブレット端末、薬などが入っていた。

 途方に暮れながらも19日に那覇署に遺失届を提出すると、翌20日の昼ごろ、与那原署から見つかったと連絡があり、同署で無事かばんを受け取った。

 明星タクシーの川満宏明社長によると、運転手は名嘉さんを降ろしたときに忘れ物に気付き、追い掛けたが見つけることができず、社に持ち帰ってきたという。川満社長も一緒に中身を確認すると、「現金が百万円くらい入っていたので与那原署に届けた」と話す。

 後日、感謝を伝えるため同社を訪れた名嘉さんには、川満社長は個人情報を理由に運転手の名前は伏せたというが、「名嘉さんからお礼に頂いた菓子を運転手に渡すと喜んでいた」と和やかに話していた。

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