殺人罪で27年服役、74歳女性の冤罪晴れる 米南部
https://www.cnn.co.jp/usa/35182132.html
(CNN) 米南部テネシー州で今週、親戚の女児を殺害したとして27年間服役していた女性の冤罪(えんざい)が認められる出来事があった。
地元裁判所に提出された報告書によると、ジョイス・ワトキンズ(74)さんと交際相手のチャーリー・ダンさんは1987年6月26日、ケンタッキー州にワトキンズさんのめいの子どもに当たるブランディちゃん(当時4)を迎えに行った。
その翌朝、ブランディちゃんが意識不明の状態に陥ったことから、ワトキンズさんはテネシー州ナッシュビルの病院に連れて行った。
ブランディちゃんは性器や頭部に傷を負っていて、翌日病院で死亡が確認された。ワトキンズさんらと一緒にいた時間はわずか9時間だったが、検視官はこの間に負った傷だと結論づけた。
1年後の88年8月、ワトキンズさんとダンさんは第1級殺人および加重性的暴行で有罪となった。
2人は27年間服役した後、2015年に仮釈放を認められた。だが、ダンさんは釈放前に刑務所で死去した。
ブランディちゃんは2人に引き取られる前、別の大叔母の家で暮らしていた。母親は当時ジョージア州にいた。
別の大叔母の元にいた間、ケンタッキー州の当局者が虐待の通報を受けてこの家を訪れていた。だが、大叔母はブランディちゃんの傷は遊び場で負ったものだと説明。捜査はそのまま打ち切られた。
それから35年後、名誉回復を求めていたワトキンズさんの冤罪がようやく認められた。ダンさんも罪が晴れ、死後に無実が認められた。
14日の審理に出席したダンさんの娘はCNN提携局WTVFの取材に対し、「父親には生きてこの日を迎えてほしかった」「彼は自分が無実なこと、罪を犯していないことを知っていた」と語っている。