「超巨大噴火が起きるとしたら、北海道か九州で起きる可能性が高いと言える。北海道で起これば北海道は壊滅、九州で起こった場合は、火山灰が偏西風に乗り、被害を全国に拡大させる恐れがあります」
いったいどのくらいの被害をもたらすのか。ここでは巽氏が試算したシミュレーションを紹介しよう。
2万8千年前に起こった姶良・丹沢噴火(噴火M8・3)と同じ規模の噴火が、人口が多い中部九州で起きた場合どうなるか。まず、火砕流が周囲100キロを覆い尽くす。 数百度とも言われる高温の火砕流は発生後2時間程度で700万人の人々が暮らす九州のほとんどの地域を焼き尽くしてしまう。
その後、日本全国で火山灰が降り注ぎ、大阪では50センチ超も降る。1日以内に4000万人もの人が50センチ以上の火山灰の被害に会う。首都圏でも20センチ、青森でも10センチもの火山灰が降る。北海道東部と沖縄を除き、2日で全国の電気、水道、ガスなどのライフラインは完全に停止する。
この結果、1億2千万人が生活不能に陥る。つまり、被災したのちに亡くなると見られる。復旧や救援が絶望的な状態で、ほとんどが餓死するというシナリオだ。
巽氏よると、噴火M7の超巨大噴火が今後100年間で起きる確率は0・9%、M8だと0・3%だ。一見少ない数字に見えるが、1995年に大規模な被害をもたらした阪神淡路大震災の30年発生確率が0・02〜8%だったことを踏まえると、決して小さい数字ではないと見る。
https://news.yahoo.co.jp/articles/5a04a723d59c2ee6de5377009291ee126ac5ca02?page=2