「ウェルネス文化への拒絶」からの喫煙
「タバコは常に何らかの形で『反逆の衝動』を象徴するもの」だと、同紙は書く。だとすれば、若者は何に反逆しようとしているのか。
これについて、ボストン在住の23歳の学生は、近年のメインストリーム、「ウェルネス文化への拒絶」だと語っている。ウェルネス業界が打ち出す、お金のかかるクリーンでヘルシーな生活は、彼女と同世代の若者の多くにとって、実はさほど身近なものではないと言う。オーガニックの食材を買いに行ったり、頻繁にヨガのクラスに通ったりする「時間の余裕もお金もない」。
かといって、クリーンでヘルシーな生活は、背伸びして真似したいものでもないようだ。最初こそ“新たなトレンド”だったウェルネスも、今の10代、20代にとってはもはや「クールなもの」ではなくなっている。
「タバコが体に悪いのはわかっている」
こと喘息持ちの彼女にとってはなおさらだ。けれど、喫煙して、あえて健康ブームに争うのが「気分が良い」と、アンビバレントな心情を明かしている。
マリファナも電子タバコも「もはやクールじゃない」
他にも、「マリファナの代わりに」という意味合いもあるようだ。
かつてカウンターカルチャーのシンボルだったマリファナは、今日のアメリカでは、ウェルネス業界のシンボルになっている。多くの州で合法化が進んだ結果、マリファナはカウンターカルチャー的なものではなく、単なる「薬のような位置づけ」になり、お洒落とは無縁の冴えないおじさんが、睡眠改善や慢性的な痛みを軽減するために服用するものになったと、同紙は述べる。
つまり、クールなものではなくなりつつある。そんななかで、タバコはかつてのマリファナの位置につこうとしているようだ。
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