数々のドラマ、ミュージカル、舞台で活躍する米倉涼子さんがAERAに登場。Netflixシリーズ「新聞記者」での撮影のこと、共演者やスタッフとの関わり方について語った。AERA 2022年1月24日号から。
凛として華やか。どんな時も堂々としている。そんなイメージがあったから、少しだけ意外に感じた。配信中のNetflixシリーズ「新聞記者」の撮影現場を振り返り、「毎日、本当にドキドキしていた」と話したからだ。
コロナ禍により、共演者たちと本読みをする時間をまったく取れないまま、撮影初日を迎えた。
「藤井道人監督はじめスタッフの方々とご一緒するのは初めてで、まず“スタイル”がわからない。初めて体験することばかりだったので、見えないところに突き進んでいくような感覚がありました」
米倉演じる社会部の記者、松田杏奈は、ある学校法人への国有地払い下げ問題を追う。吉岡秀隆演じる、文書改ざんに手を染めざるを得なかった公務員・鈴木和也に初めて接触し、名前を呼びかけるシーンでは10回ほど撮り直しをした。「何がいけないのだろう」。最初はそう戸惑うも、次第に腹が据わり、独特のスタイルにも身体がなじんでいった。
役づくりに生かそうと撮影前に新聞社を訪れた際は、記者の一人から「眼差しが新聞記者のようですね」と言われたという。
実際に彼女を前にすると、その鋭い眼差しに吸い込まれそうになる。けれど、質問には相槌を打ち、よく笑い、つい話し込んでしまいたくなる包容力がある。
「新聞記者」の現場では、スタッフを含めてもほぼ最年長で、「自分はどんなふうに見られているのだろう」と思うこともあった。年下の共演者が増えたことで、現場での立ち居振る舞いは変わったのか。そう尋ねると、
「もう、まったく(笑)。まったくと言っていいほど、変わらないですね」
潔くも、柔らかで温かい言葉が返ってきた。(ライター・古谷ゆう子)
https://news.yahoo.co.jp/articles/f5809da9631487aecfcc9b2a2be1864e5c1093f7