もし突然、身近な誰かに「死にたい」と相談されたら、冷静に対応できる人はなかなかいないと思います。
知っておいてほしいのは、死にたいという気持ちを漠然と抱えている段階と、今すぐに死んでしまうという段階には、
大きなタイムラグがあるということです。即行動というパターンは多くありませんので、慌てすぎないようにしてください。
つい慌てて「死んだらダメだよ」と言いたくなってしまう気持ちは、とてもよくわかります。
でもそれは、相手の行動をコントロールしようとしていると受け取られることがあるのです。
私たちは自分の行動を誰かにコントロールされることがとても嫌なことだと、身をもって知っていますよね。
また、誰かにコントロールされていると感じると、逆の行動をとりたくなってしまうこともあります。
ですので、「死んではダメだよ」という声掛けはあまり有効ではありません。
同じく「生きてたらいいことがあるよ」とか、「誰にだってつらい時はあるよ」といった声掛けも適切ではありません。
それは、相手が抱えているつらい気持ちに寄り添っている声掛けではないんです。
自分の気持ちや存在を否定されてしまったと感じてしまいかねません。 そして何より、今その言葉で立ち止まってくれたとしても、
次につらくて死にたい気持ちになった時に、あなたに対してSOSを出してくれなくなってしまいます。
そうなると止めることができませんので、声掛けには充分注意してください。
ではどのように声を掛けてあげればいいのかということですが、無理に言葉を掛けなくたっていいんです。
今死にたいほどつらくて、このつらさを終わらせたいんだという相手の気持ちに寄り添って、まずはただ話を聞いてあげるだけで構いません。
つらい気持ちを内側に秘め続けることはとても苦しいことなので、相手がそれを外に吐き出せるよう、器になってあげてください。
悩みを解決しようと、アドバイスをする必要はありません。むしろ、上から目線のアドバイスは相手を深く傷つけることになるので、
絶対にやめましょう。
また、相手が孤独を感じないようにしてあげることも大切です。
できる限り、そばにいてあげてください。
それが物理的には難しい場合は、精神的なつながりを持ってあげることでも大丈夫ですので、相手と次に会う約束をしてあげてください。
――「実はもう死んじゃいたいと思ってるんだ」
――「でも会えなくなるのは寂しいから、また次会おう」
あなたの一言が、その人と世界とをつなぐ糸になるかもしれません。
もちろんこれだけが正解というわけではありませんが、一つおぼえておいていただきたいです。
https://news.yahoo.co.jp/articles/1e432e55f3c0565f3132b2a2dca7035c35b014a6?page=2