ロシア下院議会は18日、北方領土に進出する企業の所得税などを免除する新たな特区を設けるための法改正案について審議を始めた。日本が引き渡しを求めている北方領土に内外の投資を呼び込み、開発を加速する狙いがある。日本以外の外国企業が進出すれば、領土問題の解決がさらに難しくなる可能性がある。

【写真】北方領土の国後島=2019年1月30日、朝日新聞社機から、山本裕之撮影

 特区構想は昨年9月にプーチン大統領が発表し、11月には下院に法改正案が提出されていた。改正案によると、特区は北方領土を含む千島列島に設けられ、今月1日以降に進出した企業に対する法人税や固定資産税、輸入関税などを最大20年間免除する。金融業や、石油・天然ガスなどの採掘や加工、カニなど高価な甲殻類に対する漁は対象外とされている。

 法案は下院と上院でそれぞれ決議された後、プーチン大統領の署名で成立する。

 トルトネフ副首相は昨年12月、韓国の洪楠基(ホンナムギ)副首相とのオンライン会談で、特区に韓国企業を誘致する考えを表明。同月の国営放送のインタビューでは、「(法案が)年明けの議会で採択されると確信している」と述べた。

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