参考までに2021年12月に公表された厚生労働省の「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」」より、国民年金と厚生年金の平均月額を確認しましょう。
【国民年金】1カ月の平均額
全体平均月額:5万6252円
・男子平均月額:5万9040円
・女子平均月額:5万4112円
【厚生年金】1カ月の平均額
全体平均月額:14万4366円
・男子平均月額:16万4742円
・女子平均月額:10万3808円
国民年金ならば男女差はそこまでなく、月に5万円台。厚生年金は平均が約14万円ですが、男性は約16万円、女性は約10万円と差が見られます。
これは女性の方が育児などで離職をしたり、扶養内で働かれたりすることが多いこと、また男性に比べて収入が少ないことも影響していると考えられます。
少し前の資料になりますが、厚生労働省の「平成29年老齢年金受給者実態調査(特別集計)」より、配偶者がいない女性の平均年金月額をそれぞれの属性で確認しましょう。
【配偶者なし世帯(女性・65歳以上)】平均年金月額
・未婚:11万9000円
・離婚:8万3000円
・死別:12万1000円
平均で見れば、未婚と離婚の女性では年金月額に3万6000円もの差があります。この平均額の傾向を知った上で、まずはねんきん定期便でご自分の年金額などを確認するといいでしょう。
65歳以上おひとりさまの生活費はいくらかかる?
では、実際に老後の生活費はいくらかかるのでしょうか。総務省統計局の「家計調査年報(家計収支編)2020年(令和2年)」より、65歳以上・無職の単身世帯の一カ月の支出を確認しましょう。
65歳以上・無職「単身世帯」の1カ月の支出
支出合計:14万4687円
【内訳】
・非消費支出計(税金や社会保険料):1万1541円
・消費支出:13万3146円
おひとりさまの平均的な支出額は14万円台。先ほどの女性の国民年金と厚生年金の平均額とともに、老後の生活費だけでどれくらい貯蓄が必要なのかを計算しましょう。
【おひとりさま女性】生活費の赤字
・国民年金:(5万4112円ー14万4687円)×25年間=ー2717万2500円
・厚生年金:(10万3808円ー14万4687円)×25年間=ー1226万3700円
国民年金の平均で約2717万、厚生年金の平均で約1226万円という結果になりました。
ちなみに上記の支出は、家賃は1万円台で計算されています。賃貸にお住まいの方は、これ以外に家賃分の準備も必要です。また介護も必要となる場合も多いので、さらに貯蓄が必要になるでしょう。
貯蓄額の分布を考えると、厳しい結果となることがわかりました。
https://news.yahoo.co.jp/articles/9c43b60a71f0f47bd3972d2c0f9cea4c0618f971