東大などオミクロン株を分析 肺で増殖や炎症が「減弱」ハムスターで

 東京大学医科学研究所や国立感染症研究所などのグループは、ハムスターやマウスを使った研究で、新型コロナウイルスのオミクロン株は従来株に比べて肺であまり増えず、呼吸器の症状も悪化しにくいとする結果をまとめた。21日付で、科学誌ネイチャーに発表した。

 オミクロン株は昨年11月に初めて報告され、世界中に広がった。感染力が非常に強く、重症化リスクはデルタ株などより低い可能性が指摘されてきたが、その特性は十分には明らかになっていない。

 グループは、米国や日本の感染者から採取したオミクロン株などをハムスターやマウスに感染させ、ウイルスの増え方や症状を調べた。

 ハムスターはデルタ株に感染すると数日で体重が減る。だがオミクロン株では体重の変化はみられず、肺のウイルス量も少なかった。肺のはたらきを調べると、デルタ株では低下がみられたのに対し、オミクロン株では感染させない場合とほぼ変わらなかった。

 このようなオミクロン株の性質は、複数の品種のマウスを使って、主に別の変異株ベータ株に感染させた場合と比べた実験でも同様だった。

 ハムスターの肺の状態をCT(コンピューター断層撮影法)で詳しく調べたところ、デルタ株では、新型コロナ患者にみられるような肺の炎症を示す像が確認できたが、オミクロン株では軽い炎症しかなかった。
https://news.yahoo.co.jp/articles/372c48a5cdae35d13633e59951aeace3d581e817