<衆院選群馬>自民5議席「王国」続く 3区で立民が善戦も及ばず
https://www.tokyo-np.co.jp/article/140209
2021年11月1日 07時44分

衆院選は三十一日投開票され、群馬県内の五選挙区を自民党が独占した。衆院選で五選挙区を自民が独占したのは二〇一二年から四回連続。野党は焦点の群馬1区で共闘が実現せず、2〜5区は基本的に共闘で臨み、3区では競り合ったが、世襲の前職らによる「自民王国」の壁は突き崩せなかった。小選挙区の当日有権者数は百六十一万四千百二十四人、投票率は53・89%(前回51・97%)。(池田知之)

 群馬1区は、比例北関東から移った自民前職の中曽根康隆さん(39)が小選挙区で初当選。祖父が元首相、父が元外相という高い知名度と一部の地盤を生かし、各種業界団体や地方議員、約五十ある後援会も強力な組織戦を展開した。

 一方、野党は共闘を模索したが、実現しなかった。日本維新の会元職の宮崎岳志さん(51)、共産党新人の店橋世津子さん(60)、立憲民主党県連が支援する無所属新人の斉藤敦子さん(53)が出馬し、反自民の票が分散した。

 同2区は、自民前職の井野俊郎さん(41)が組織戦を繰り広げ、自民支持層の票を手堅くまとめて四選を果たした。立民前職の堀越啓仁さん(41)は小まめに選挙区を巡り、無党派層や若年層にもアピールしたが、及ばなかった。無所属元職の石関貴史さん(49)は支持の広がりに欠けた。

 同3区は、自民前職の笹川博義さん(55)が自民や公明の支持層を固め、四選を決めた。立民前職の長谷川嘉一さん(68)は、従来支援を受けていた連合群馬の推薦を取り消されたのも響いたのか、善戦したが敗れた。「NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で」の新人説田健二さん(50)は訴えが浸透しなかった。

 同4区は、自民前職の福田達夫さん(54)が、ともに元首相という祖父と父から引き継いだ強固な地盤や知名度で圧勝の四選となった。立民新人の角倉邦良さん(61)は野党統一候補として、無党派層の取り込みを図るも伸びなかった。

 同5区は父が元首相で自民前職の小渕優子さん(47)も盤石な強さで八選を果たした。共産新人伊藤達也さん(38)は自民への批判票取り込みに挑んだが、広がらなかった。