「将来の大統領候補」ハリスの人気が凋落した理由
輝きを失った背景には失言や人種差別なども指摘されるが根本的な問題はそこではない
【サム・ポトリッキオ(本誌コラムニスト、ジョージタウン大学教授)】
カマラ・ハリスは、ついに現代アメリカ史上最も不人気な副大統領になってしまった。
11月の世論調査では支持率が30%を割り込んだ。
副大統領就任当時の輝きはどこへ消えてしまったのか。
https://news.yahoo.co.jp/articles/f2be674796f7862aceae025d9fa1466fc543eeee
また、コミュニケーション面にも確かに問題がある。
つい最近のテレビインタビューでも救いようのない失言をした。
今日のアメリカ社会のムードを「マレーズ(沈滞)」という言葉で表現したのだ。
アメリカがエネルギー危機などで苦しんでいた1979年、当時のカーター大統領は国民に向けてテレビ演説を行い、
アメリカの「自信の危機」を指摘した。
カーター自身は「マレーズ」という言葉を用いたわけでなかったが、
この演説はマレーズ・スピーチと呼ばれるようになった。
翌80年の大統領選でカーターが再選に失敗したこともあり、
政治の世界で「マレーズ」は負け犬を即座に連想させる言葉になっている。
ハリスがインタビューでこの言葉を使ったことは、
超弩級の失態と言わざるを得ない。