一般的に「盗聴器」とは、電波を発信する送信機の事を呼び、情報を得る用途の機器ですが、「盗聴行為」を目的に使用するため「盗聴器」と呼ばれています。性能によりますが発信電波は半径約100〜150mの距離に届くものや1km以上に届くものもあるようです。
「盗聴器」を仕掛ける以外にも、ICレコーダー等の録音機能のある機器を仕掛けて、他人の会話や通信などを、当人に知られないようにひそかに聴取・録音する行為のことも「盗聴」といいます。
「盗聴器」を仕掛ける行為は、常識的に考えても違法なイメージを受ける方が多いでしょう。
しかし、「盗聴行為」が必ずしも違法とされるわけではありません。
使用者から違法な労働契約を無理矢理に締結させられた証拠や、不当解雇された証拠として裁判で使用されるケースもあります。
「盗聴行為」が違法とされるのは主に次のような事例が考えられます。
「住居侵入罪」（刑法）...盗聴器を仕掛けるために許可なく他人の敷地や住居等に侵入する行為
「建造物等損壊罪」（刑法）...盗聴用機器を取付けるために、他人所有の建物等に加工を行う行為
「背任罪（特別背任罪）」（刑法）...会社の従業員（役員）が、自分の利益や会社に損害を与える目的で、社内の施設に盗聴器を仕掛けた行為
「電波法違反」...通信電波を傍受し、その通話内容を他人に漏らす行為
ご質問のケースでは、「盗聴器」を仕掛けた場所は従業員みんなが使用する休憩室であり、公共の場所であると考えられます。
そして「盗聴器」を用いて収集した内容を他人に公表したり、インターネット等で流したりしていないのであれば、実際に「盗聴行為」で損害を受けたとは言い難いため、「盗聴行為」だけをもって「解雇処分」とすることは難しいでしょう。
重い処分は出来ませんが、今後「盗聴行為」を行わないように注意・指導し、「盗聴器」を仕掛ける原因となるような事が起こらないように職場環境を整えることが重要です。
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