コンビニ売り上げ頭打ち、来店客数もコロナ禍前より10%超減…各社「家飲み」狙った品ぞろえ

 日本フランチャイズチェーン協会が発表した2021年の全国コンビニエンスストアの売上高(速報値)は、新規出店を含む全店ベースで前年比1・1%増の10兆7816億円だった。初の減少となった20年よりは増えたが、客数減が響いて頭打ちとなった。

 政府の緊急事態宣言や、昨夏に感染者数が急増する「第5波」の影響で外出自粛が広がり、来店客数は2・0%減だった。コロナ禍前の19年と比べると、10%超減っている。特に、外出自粛でオフィスビルの店舗が苦戦した1月と2月の落ち込みが目立った。

 自宅で過ごす時間が長くなり、1回の買い物でいくら使ったかを示す平均客単価は、前年よりも約22円高い692円となった。比較可能な05年以降で最も多い。各社は、冷凍食品のほか、「家飲み」需要を狙ったおつまみや総菜の品ぞろえを増やしている。

 21年12月末時点の店舗数は、前年末に比べて26店多い5万5950店だった。

 22年もコロナ禍を意識した商品戦略を強化する。セブン―イレブンは、100円ショップ「ダイソー」の商品を扱う店舗を増やしている。混雑を避けて自宅の近くにあるコンビニで買い物を済ませたいとの需要が高まることを見込んでいる。

 ファミリーマートは、レジに従業員がいない店舗を増やす。店員との接触機会が減るほか、運営費の削減も期待できる。ローソンは、客の注文を受けてから調理を始める店内 厨房ちゅうぼう に対応した店舗の展開を広げていく。
https://www.yomiuri.co.jp/economy/20220123-OYT1T50080/