8年ぶり改訂の三省堂国語辞典の「フェミニズム」にザワつく心 「適当なこと言わないで」北原みのり

改訂出版されたばかりの三省堂国語辞典の「フェミニズム」の項目がSNSで話題になっている。
「暮らしの中にあふれることばを集めました。辞書はかがみ。8年ぶりの全面改訂」をうたう新しい三省堂国語辞典によれば「フェミニズム」とは、
「男も女も性的少数者も平等にあつかわれるべきだという<考え方/運動>。
[以前は『女権(拡張)論』などと訳された]」だそうだ。

SNSでは、「フェミニズムを説明するのに、なぜ『男』が先にくるのか」
「フェミニズムは女性のものだ」というフェミニストたちのまっとうな怒りが見受けられるが、
三省堂の新定義によれば、「男」が「女」より先に記述されるくらいで腹を立てるのは古いタイプのフェミニスト……ということになってしまいそうだ。

もちろん、私もハ?の思いである。

人生の大半、フェミニズム思想に触れ、フェミニストたちと交流をしてきた者からすれば、
三省堂さん、フェミニズムにそこまで期待しないで……と言いたい。
男も女も性的少数者も……ってつまりは全人類のことだと思うが、人類誰もが平等に扱われるべきだと私も願ってはいるものの、
フェミニズムの定義としては雑過ぎるし、荷が重いでしょ。
https://dot.asahi.com/dot/2022012500049.html?page=1