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伊藤沙莉、役として「嫌われたいな」という思いも 『ミステリと言う勿れ』抜擢の喜び語る

普段のおちゃらけた感じは最大限抑えて
――『ミステリと言う勿れ』という作品のどのような点に魅力を感じられましたか?

伊藤沙莉(以下、伊藤):考えることへのヒントをたくさんもらえる作品なので、ミステリ作品であること以上に、整(菅田将暉)が持っている考え方が好きです。整が発する言葉や持っている考え、知識は満遍なく誰かを頷かせられるなと思っていて。そのルーツが心理学なので、みんな納得できるのだなと感じました。私は、自分の中になかった考え方で納得できる瞬間が好きなので、「そうか、そう考えればそんなに苛立つこともないか」などと思えた時には気持ちがいいです。

――原作を読んだ草ヶ谷大輔プロデューサーが「風呂光は伊藤さんしかいない」とコメントしていました。

伊藤:今まではどちらかというと強気な女性をやらせていただくことが多かったので、意外な目の付け所だと思いましたが、とっても嬉しかったです。風呂光も芯の部分では強い女性だと思いますが、物腰は柔らかいし、まだ新人のおどおどした感じがあります。今まで経験のないタイプのキャラクターを演じるのは、イメージが湧かないと思いますし、キャスティングにも勇気がいると思うんです。そんな中、草ヶ谷さんが私でチャレンジしようと思ってくださったのは嬉しいです。

――今までと違うイメージの役ということで、演じる上で難しかった点はありましたか?

伊藤:お芝居とか人前だからということではないのですが、私は元々リアクションが大きいタイプで。狙っているわけではなくても、普通に反応すると変顔になっちゃったりするんです。でも風呂光役はそれでは成り立たないので、普段のおちゃらけた感じは最大限抑えています。その点では、今までの芝居の中で一番控えめな演技かもしれないです。

――逆に、ご自身と風呂光が似ている部分や共感できた部分はありましたか?

伊藤:堂々と態度や言葉に出さないだけで、揺るがないものが心にあるという部分でしょうか。自分をすごく強い人間だとは思わないですが、風呂光がひとつの信念を持って、それを軸に頑張ろうとしている姿には共感します。この役になら疑問なく寄り添えますし、自分で演じていても違和感はないです。風呂光のことを理解できるし、愛せているからなのかなと思います。